食物として摂取された脂質、糖質、たんぱく質はすぐにエネルギー源として消費されますが、摂り過ぎて消費されなかった炭水化物、脂肪、糖分などは、体内でコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸に変換されます。
このうち中性脂肪は飢餓状態に備えて備蓄される性質の脂肪で、体温を保ったり筋肉を動かすためのエネルギーとして使われるため、体脂肪の中でも量的に最も多く体内に溜められています。
運動不足などでエネルギーの消費が少ないと、中性脂肪はどんどん溜まっていくので、内臓脂肪は日々増殖して内臓肥満になってしまいます。中性脂肪が血液中に増えすぎると、高脂血症や糖尿病といった生活習慣病にかかりやすくなります。
皮膚のすぐ下に蓄積された体脂肪が皮下脂肪、皮膚よりずっと深い内臓の周囲に付着した体脂肪が内臓脂肪となります。体脂肪のうち、生活習慣病のリスクが高いのが内臓脂肪です。
皮下脂肪型肥満(下体肥満)は、下半身の皮下を中心に脂肪が多く付いているという体型に現れるのが典型で、洋ナシ型肥満とも呼ばれています。女性に多くみられ、お尻、太もも、下腹などに皮下脂肪が付きやすく、プロポーションをくずす原因となります。
皮下脂肪型肥満は基本的に良性とされ、病気とは直接的には関係が薄いとされています。しかし、必要以上の量を蓄えれば皮下脂肪であっても内臓を圧迫してしまうので、さまざまな悪影響や合併症を起こす可能性もあります。
内臓脂肪型肥満(上体肥満)は、上半身からお腹まわりを中心に脂肪が付いているという体型に現れるのが典型で、リンゴ型肥満とも呼ばれています。
中高年の男性や更年期を過ぎた女性に多くみられ、やせているのにビヤ樽のようにお腹がポッコリと出ていて、ウエストが太い割に脂肪が指でつまめないのが特徴です。
胴回り(おへその周囲)が男性で85cm、女性で90cmを超えると、内臓脂肪型肥満であると推定されます。外見的にはやせて見えても、実は内臓・腹腔内に脂肪が過剰に分布している、つまり医学的に見て肥満にあたる状態を俗に「隠れ肥満」と言いますが、これも内臓脂肪型肥満です。
生活習慣病に直接的に重大な影響を及ぼし、様々な病気の原因にもなるのが内臓脂肪型肥満です。「ベルトの穴が増えるたびに寿命が縮まっていく」などとも言われています。
内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)、高血圧、高脂血症、糖尿病の4つが揃っていることを「死の四重奏」、さらに喫煙習慣を加えた5つが揃っていることを「死の五重奏」といいます。
「死の四重奏」の状態の人の死亡率は、そうでない人に比べて30倍以上も高くなるという調査結果があるそうです。内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)の人は動脈硬化になりすく、動脈硬化になると心臓病や脳卒中へと進んでいくリスクが高まるからです。
さらに「死の五重奏」ともなると、心筋梗塞などで突然死するリスクがさらに高まるそうで、極めて危険な状態といえます。